black of night

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何回も繰り返す後悔と自責の念 震えた手で彼女を抱きしめる 彼女が俺のせいで壊れてしまう でも、辞めることが出来ない 「ごめんな、愛してんねん…」 そう囁いたら彼女は泣き止んで 作った笑いでこちらを見つめる 夢の中で彼女を見た 「まって!ごめん俺が悪かったから、置いていかないで!!」 追いかけても叫んでも 振り向いてくれやしない 追いついても 体にトゲが絡みついて離してくれない 何も感じない、夢の中だからだろうか 痛みも、苦しさも、何も 彼女は振り向いて俺の方を見て笑った 「…ゆめ、か、、、」 嫌な夢を見た、身体中が冷汗びっしょりで、 気持ち悪く、とても、目覚めが悪かった 「喉乾いたな、」 俺はベットから起き上がり下へおりて 食器棚の中からコップをとって、水を注ぐ 「せや、今日彼女の誕生日や、連絡せな」 ポケットに入っている携帯を取りだし 彼女にメッセージを送った 「今日家来てなっ…と、」 1分たっても既読にならない 「なんで既読つけへんの?」 1分置きに一通メールを送って 50通目になった時やっと既読マークが着いた 「やった、既読なった!」 彼女のメールに目を通してみると 「ごめん、友達と遊んでて!」 …は??俺のメッセージより、友達をとるん?、そんなん許さん、、 「そか、今日君のために誕生日パーティーするから8時にきて!」 「うそ!ありがとー!!行くいく!」 普通に来てって言っても 彼女は友達をとるだろう ちゃんと罠を仕掛けないと 彼女は蝶だから 甘い甘い蜜のある花を置かないと来てくれない 玄関のドアが開く 「ただいまー!」 なんであんなに脳天気なんだ 俺はこんなに待ったのに 約束の時間を5分オーバーしてるのに 「なあ、なんでなん?」 「え、何が?」 「…ふざけんなよ?5分遅れてきてるやんか」 「ごめ、、てか、5分くらい見逃してや!」 俺は手をおおきく振りあげ 彼女に向かって降ろした 「っあ、いっ、なんで、、?」 「俺と会うのそんな嫌やった?」 「違う!ごめん!ごめんなさい!」 後ずさりする彼女を追い詰める 彼女のために買った、花瓶を彼女の足元に投げつけ壁に飾ってある額縁を破壊し、窓ガラスを殴って壊し暴れまくった、 「っひ、ごめんなさい、許して、お願い!」 「なんでなん?」 彼女を思いっきり蹴りあげ、蹲る彼女の髪を ちぎれるぐらいに引っ張る 「俺か友達、どっちが大事なん?」 「…貴方が大事、許して、ごめんなさい、ごめんなさい、私が悪かったから」 俺の血だらけの手の甲に1粒の雫…彼女の涙が落ちてきた その瞬間に俺は我に返った 俺なんてことしてんねんやろ なんでこんなことしてんの?? またやってもうたん? 「…ごめんな、、好きやで、愛してる、愛してんねん」 俺は震える彼女をそっと抱きしめ囁いた 彼女は大声で泣き叫んで疲れきったように 俺の胸元で、眠りにおちた 俺は彼女をベットに連れていき 彼女の隣で目を閉じた またこの夢だ トゲがまた増えて 彼女は立ち止まり微笑んで 遠くへ走っていく 俺の手のなか、俺の傍から離れていく 追いかけてもがいても トゲは俺の首を絞めていく トゲを引きちぎって、彼女の元へ走っていって 彼女を抱きしめても、 俺の腕の中でもがいて、今度は彼女が トゲに苛まれていく 今にもこぼれ落ちそうで 壊れそうだったから 俺は彼女を突き離した 「また、、最悪…」 ふと横を見ると彼女は幸せそうに眠っている 「かーわええなぁ、天使みたいや」 彼女の携帯から着信音がなった 俺は仕事かもしれないなと思いながらも 彼女の携帯を覗いた 知らない男からの着信 「…、なぁ、起きて、」 彼女を思いっきり揺さぶり起こした 「これ、どういうこと?説明して?」 「ん?、仕事場の先輩やで?」 「…へぇ、、消しとくな」 「は!?なんで消すん?消さんといてや!」 俺は起きたばっかの彼女に股がり、彼女の顔目掛けて拳を振り下ろした 心の中ではやめろって、何回も繰り返すなって叫んでるのに、体がいうことを聞いてくれない 何回も何回も何回も 彼女を殴っては問い詰めた 「…消しといてええよな」 「ダメっ!」 何回も… 「消してええよな?」 「ダメっっ!」 何回も何回も 「消してええよな?」 「グスッ、う、ん…消してええから、もうやめて、痛い…っ」 俺は彼女を抱きしめようとしたその時 彼女は僕の腕を振り払い逃げていった 「ってぇ、逃げんなや!!」 雨の中ひたすらに彼女を探し回った 彼女が行きそうな場所を思い当たる限り探して 雨の中走り抜けた 近所の公園に差し掛かった時 しゃがみこんで泣いている彼女を見つけた それが雨なのか、涙なのかわからなかったが 彼女がないていた、また泣かせてしまった 俺は彼女を力の限り抱きしめた 「…ごめん、許して、お願い、ごめん、ごめん愛してる」 止まない雨の中で泣いている彼女はまるで少女のように 弱くて、小さくて、脆く、儚く崩れ落ちそうだった でも、 俺はまた彼女を花の中へ誘い込むのだ 絶対に逃げられない花の中へ 一体ここはどこなんだろう どこまで来たのか どこまで続くのか 行き着く先は一体どこなんだろう そんなこともう分からなくなってきた どうでも良くなってきた ただ少しでも立ち止まると 絵の具と水のように 彼女が俺に溶かされてしまう 僕達は元の世界を見失った 出会う前の、付き合う前の関係を 見失ってしまった 出ようと何度もがいて足掻いて苦しんでも 泣き叫んでも、叫び散らしても 二度と出ることが出来ない ならもういっそ 一緒に堕ちよう
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