1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
前略 大熊氏
当方、日本代表の試合を観戦するため宮城スタジアムを訪れたり。
宮城、梅雨にて鉛色の空より大粒の雨が止まず。
スタジアム、仙台市より程近い立地にありながら交通の利便性、甚だ悪し。
また陸上のトラックがあり、ピッチが遠く試合、これまた見えづらし。
日本代表、すでに十六強を決め、どことなく緊張の糸が切れたかのように見受けられたり。
片やトルコ、動き軽く勢いあり。
前半、日本のミスから与えたコーナーキックから早々に失点。
前線と後衛が間延びし、人と人の間が遠く、パスつながらず。トルコ、走力で勝り、その後も優勢に試合を進める。
淡々と時間が進み、濡れた体に張りつくユニフォームが重々しく見えり。
試合はそのまま終了。開催国、日本の旅はここ宮城で潰えり。
あまりにもあっさりと降伏せしように見え候。
我思うに、当初の目標を達成させた日本、次の目標を見失いけり。
これにて充分と思いし時、歩みは止まり候。飽くなき向上心を持ち続けること甚だ肝要なり。
大熊氏、貴殿のことである。
走りたくないと愚痴にするは怠惰の極みなり。誠に嘆かわしい限り。
己に恥じるところはないか、日々自らに問いかけよ。
北海道名物、バターサンドとともにこの言葉を噛みしめられたし。
木皿めぐみ 拝
最初のコメントを投稿しよう!