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第十一話
第十一話:真実
最終兵器である3つのレクイエムによって封印されていたものは、ヒトが神と称するための依代であったものである。
それは神々の時代の終盤に、その力が具現化し、物質化した光と闇の指輪であった。その2つの指輪があれば、再びヒトは神としての力を取り戻すことが出来る。
しかし、それは同時に、再び永遠に続く争いが始まることを意味していた。
ウルを初めとした神々と“無”の存在があれば、最終兵器ともども簡単に神々の時代に消し去ることが出来たはずである。
では、何故その封印をウルと神々と“無”は施したのか。
理由はヒトが神の種として真にふさわしいか、また、かつての争いの償いを自らの力で行えるかを見極めるためであった。
神の種として認められるためには、暴走することなく、自らの限界を超える必要がある。
償いとは、ヒト自らの意思と行動により、光と闇の指輪を消滅させることであった。
ネロは、光と闇の指輪を手にしようとするも、シャナオウとシグルドにより阻止される。
同じ力を持つ最終兵器では2対1の戦力差でシャナオウ・シグルドに勝てないことを悟ったネロは、自らの持てる力の総てを使い、ネロの魂はキリエとの融合を解除して離れ、光と闇の指輪に憑依し融合した。
それにより、キリエの中から、聖剣エクスカリバーとその肉体が分離した。
シャナオウとシグルドは、まず、ネロが再びキリエと融合することを阻止するため、エクスカリバーの肉体に宿る魂を選出した。
選ばれたものはランスロットであった。エクスカリバーの肉体の宿主となったランスロットは、シャナオウ・シグルドと共鳴したことにより、ランスロットはキリエと一体化することに成功したのであった。
光であると同時に闇となったネロ、それに対抗する最終兵器の3人の争いは熾烈を極め、地球全体が焦土と化した。
戦いの最中、シグルドは竜の初元たる、神竜であるアモンと時間を隔ててリンクする。
アモンは自らが“無”と同じくフラスコの外から来た存在であること、この日のこの戦いのために竜族の歴史が始まったことをシグルドに告げたのであった。
ラクリモサと一体となっている竜王でもあるシグルドが、神竜アモンとリンクしたことにより、シグルドは更なる力を手に入れることとなった。
地球上にこれ以上の被害をもたらせないため、最終兵器である3人は、アモンの力を借りて決戦のための厳重な結界と、その中に異空間を作り出し、その中に2つの指輪と融合したネロを誘導し、自ららも異空間に入り、決戦が始まった。
この時点で、最終兵器となった3人は、これが最後の戦いであり、自分たちが負けることは、ヒトから産まれたものたちの終局を意味することも理解していた。
異空間での決戦は熾烈を極め、その中においてもネロの暴走はとどまることを知らず、最終兵器の3人は次第に追い込まれていった。
このままではアモンの結界が持たないことを悟った3人は、結界の外にいる月読命とテレパシーによって意思疎通し、一本の剣を異空間内に召還する。それは月帝の剣であった。
3人は、自らの最終兵器としての命と引き換えに、開放したエネルギーを月帝の剣に集中させ、ネロを消滅させることを考え、それを実行した。
とてつもないエネルギーが月帝の剣に集まり、最終兵器の3人はネロに向けて月帝の剣を振りかざした。
これにより、光と闇の指輪と、それに融合したネロ、そして、3体の最終兵器とそれに宿ったシグルド・シャナオウ・ランスロットらは、アモンの結界と異空間と月帝の剣とともに“無”に還り消滅したのであった。
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