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「出口は階段になってますよ」
「何?!」
「踏ん張ってください」
私達の車はアーケードから飛び出して階段を下る。
「うわぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
エンジェルさんの悲鳴が段差の振動で震えて面白くなった。
車道に出て少し進むと右手が河になり、向こう側に空港が見える。
前方の交差点にワゴン車が飛び出してきて、交差点周囲の一般車が急停止。
田嶋さんも交差点にほとんどスピードを落とさずに侵入して、一般車の間を縫ってワゴン車を追っている。
「左の歩道が空いてますよ。クラクションを鳴らして侵入して下さい」
「君、ナビに欲しいな」
「普段は交通法機をきっちり守ってもらいますよ」
「了解!」
ワゴン車は空港に向かう橋へと右折するけど、空港側からは警察車両が10台、対向車線を含む4つの車線を塞いでいる。
橋の中程でワゴン車は止まり、田嶋さんと私達もワゴン車が戻れないように橋を塞ぐように停めるとワゴン車の後席のドアが開いて、覆面を被った大男が降車し、乱暴に女の子の腕を引っ張りながら自動小銃をこちらへ発砲してきた。
私は車を降りてボンネットの後ろに回り込んでからワゴン車の方をうかがうと、大男はこちらへの銃撃を止めて警察の方へ自動小銃を掃射する。
その間にもう1人、やはり覆面を被ったワゴン車の運転手らしき男も降車して、橋の柵の方へ移動している。
警察も応戦しているけれど、大男が怯む様子は無い。防弾衣を着ているのかしら?
大男は自動小銃を射ち尽くすと、とても武装しているとは思えないスピードで走り出し、女の子を脇に抱えて橋を飛び降りた。
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