プロローグ

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 リムジンの前を走っていたSUVが異常に気付いて停車すると、リムジンはその後ろに追突。周囲の市民が唖然とその様子を見つめる中、同様にしていた私よりやや幼い年齢と思われる少女がワゴン車に押し込められるのが見えた。 「田嶋さ……!」  その事を田嶋さんへ伝えようとすると、目の前にシルバーのセダンが停まって運転手が田嶋さんに声を掛ける。 「ヤバいぞ、乗れ!」  私は田嶋さんとそのセダンの後席に乗り込むと、女の子が押し込められたバンを指差した。ワゴン車は走り出している。 「あの車を追って!」 「え?!」 「いいから!」 「ちょっ、あんたツカモト・アイだろ?!何で一緒に……!?」  運転手の白人男性は混乱している様子だけど、田嶋さんが「言われた通りにしろ!」と言うと、セダンも走り出した。
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