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得意げにそう言った少年に「チビじゃないっ」と噛みつく。少年は蛍雪の手から提灯を取り上げた。
「お前、名前は?」
「蛍雪、チビじゃない」
「ふん、変な名前。チビの方がいいじゃん」
「チビじゃない!」
廻りを取り囲んでいた子供たちがクスクスと笑った。蛍雪はむっと唇を突き出した。
「お前もやるか、ことろことろ」
「ことろことろ?」
「鬼がこどもを捕まえる遊び」
「おれ、鬼じゃないし」
蛍雪がそういうと、子どもたちはまたげらげらと笑う。
「教えてやるからこいよ」
「……いい。今は入れないもん」
変な奴、と怪訝な顔をした少年は蛍雪を一瞥してまた社の中へ戻っていった。
蛍雪は背を向けて歩き出した。小石を蹴っ飛ばしながら歩いたが、いつもより楽しくなかったのだ。
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