伍章 三匹の神使 中編

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 何度も足がもつれそうになりながらもひたすら走った。  あれは何? あの結守神社とそっくりの荒れ果てた神社は何? どうして仁吉さんとみくりがそこにいたの? 二人で何をしていたの?  あの千切れた注連縄は、隠されるように存在するあの祠は。  仁吉さんの忠告も、険しい顔も。  昨日といい今日といい、私の知らないところで一体何が起きているの?  何か大きなことが起きているような気がする。私にはどうにもできないような大きな何かが────。
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