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「あれ?」
教室に入るなり私たちは首を傾げた。
時刻は一限目が始まる十分前、いつもならクラスメイトのほとんどが登校しており教室は賑やかなはずだ。しかし教室にいるのは数人の女子だけで、がらんとしている。
「おはよ! ねえねえ、皆まだ来てないの?」
詩子が近くにいたクラスメイトに声をかけた。
「おはよー。一限目が職員会議になったから皆好き勝手してるの。男子とか運動場でサッカーしてるし、女子は食堂でジュース飲みながら喋ってると思う」
窓から顔を出すと確かに楽しそうにボールを追いかける姿があった。
「そうなの!? ラッキー! ねえ麻、私たちも部室に行こうよ! 棚にお菓子置いてあるし」
「でも、良いのかなぁ」
「良いの良いの! だって自習って言われてるわけでもないし!」
そうと決まれば、と詩子は私の手を引いて教室を飛び出した。
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