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稲荷コロッケを食べ終えると直ぐに部屋から出て行こうとしたふくりを咄嗟に呼び止めた。
「えっと、あの。そうだ、一緒に寝ようよ、ふくり!」
「……え?」
「修学旅行みたいで楽しいよ、きっと!」
「修学旅行? それが何かは知らないけれど、麻は私と一緒でいいのかい?」
「嫌だったら誘わないよ」
ふくりは戸惑うように視線を彷徨わせた後、とことこと歩いてきて器用に鼻先で布団をめくり中に入ってきた。するっと顔だけ出した姿がおかしくて笑ってしまう。
「誰かと一緒に眠るのは久しぶりだなあ」
小学校に上がる前まではお母さんと一緒に眠っていたけれど、それからは自分の部屋で眠るようになった。
近くに自分以外の温かさを感じることは、こんなにも心地よかったんだ。
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