伍章 三匹の神使 中編

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 「言いたくなったら別の言葉に置き換えてみたらどうだい。伊三郎の息子も、よくそうして言祝ぎの力を強めるようにしていたよ」  「言い換える? つらい、苦しい、嫌だ、といった言葉を言い換えるのか。そうだな、じゃあ金平糖にしよう」  ふくりは声をあげて笑うと、名案だねと頷いた。  「今日の修練は金平糖だった。毎日毎日、金平糖だ」  「そうだそうだ、金平糖だ」  「伊三郎さまは金平糖過ぎて金平糖になる! ええい、見ていろ。金平糖なんてこうして食ってやる!」  ぼりぼりと金平糖を頬張る嘉助に、ふくりはとうとう堪えきれずにげらげらと笑った。  丁度その時、縁側に通りかかったみくりと仁吉が怪訝な顔でふたりを見た。  「何をしているんだ、お前たち」  「えらい楽しそうやな」  ふくりと嘉助は顔を見合わせてまたげらげらと笑う。
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