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「伊三郎さまの悪口を言ってるんだよ。伊三郎さまは金平糖だって」
「あはは、もう、やめておくれよ嘉助っ」
金平糖? と一層首を傾げた二匹。
賑やかな笑い声は社頭にまで届いていた。
本殿の前を掃いていた伊三郎は柔らかく目を細めて御神木を見上げた。
「嘉助が来てからは、この社も賑やかになったもんだね。ふくりの表情も明るくなったようだ。お前もそう思うだろう、須久木」
青々と茂る葉が返事をするようにさあっと揺れた。
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