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少し俯いたふくりに嘉助は眉を下げて笑い肩を竦める。そしてその頭にポンと手を乗せた。
「寄っていくかい? 眠くなるまで話そう」
ぱっと顔をあげたふくり。嘉助は笑いを堪えながら部屋の中へ招き入れた。
既に敷いてあった布団の上に腰を下ろしたふくり。
「あと少し待っていておくれ」
嘉助は布団をかけてやると、机の前に座って筆を取った。
少しの間、筆が紙の上を滑る音を聞いていると、嘉助が「よし」と小さく呟いた。
そして肩にかけていた羽織を脱ぐと、寒い寒いと言いながら布団に潜り込む。
「おお、ふくりが温めてくれたおかげで心地よい」
「湯たんぽがわりにするんじゃないよ」
嘉助は声をあげて笑うと、布団から肩を出し腕を曲げて枕代わりにした。
「そう言えば、もうここに来て随分経つのに、ふくりとこうしてゆっくり話すのは初めてかもしれないな。どれ、せっかくだから互いに質問でもし合おうか」
「いいね、楽しそうだ」
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