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「お星さん昇った遊びましょ~、妖狐こんこんこんばんは~」
「やめておくれよ、気持ち悪い! にたにた笑って、質が悪いね!」
ふーっと毛を逆立てたふくりに、嘉助は慌てて手を離してまた笑う。
「どれ、気はまぎれたか? もう眠れそうか」
嘉助の問いかけに、ふくりは目を瞬かせる。
嘉助が自分の気を紛らわせるためにそうしていたのだと気が付いた。
「────嘉助は、優しいね」
「……俺が優しい? ふくりにはそう見えるのか?」
嘉助が心の底から驚いたようにそう言う。ふくりは首を傾げた。
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