伍章 三匹の神使 中編

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 それもそうだね、とふくりは微笑んだ。  「でも、本当に昔の話だから、もう涙が出ないんだよ」  そう言ってふくりはもう一度私の頬に頭を寄せる。  「だから麻が泣いてくれて嬉しいんだ。ありがとう、私の苦しさを一緒に背負ってくれて」  「そんな、格好いい事はしてないよ……っ」  力一杯ふくりを抱きしめた。少しでもふくりの苦しさが薄まればいいと思った。
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