伍章 三匹の神使 中編
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「────おっそ。もうちょっとはよぉに来ると思うてたんやけど」 崩れて低くなった本殿の屋根に腰掛けた、着流し姿の男が目を細めて笑う。 はっと無意識に息が止まる。 あそこに行けばもしかすると。 なんとなくそんな思いで出て来てみたが、予想以上だった。 「……仁吉」 「待ってたで、結守の巫女はん」 不敵に笑う仁吉に、ごくりと唾を飲み込んだ。
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