計算できない恋がある

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うーんと伸びをして窓の下を見ると、色素薄めの儚い系美女と言われている同級生の清川(きよかわ)さんと恐らく一学年下の地味で冴えなさそうな男の子が何やら話している。 2人とも声が小さいのか何を話しているか3階のこの教室まではよく聞こえないけど、雰囲気から察すると告白のように見える。 部活で残っている生徒もいるし、誰に見られているかも分からないのに学校で告白なんて勇気があるなぁと思いながら見下ろしていると一樹が戻ってきた。 手にはカフェオレとフルーツオレのパックジュースを持っている。 「どっち?」 「フルーツオレ」 受け取ってお礼を言うと、一樹も「何見てんの?」と窓の下を見た。 「お、告白かな」
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