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寂しさから求めたモノ
母の一周忌を終えた数日後。
夕食の豚肉のしょうが焼きを食べていたとき、一人だという現実にものすごく寂しくなった。
急性心筋梗塞でなくなった母の死は呆気ないものだった。母が倒れたという連絡が来て、急いで病院に駆けつけたが、その後、目を開いたのは一度だけで…そのまま天国へ旅立った。
それからの1年、私は悲しみに潰されないよう必死で働いた。悲しんでいる暇がないほど、仕事が忙しかったことはありがたかった。
でも、家に帰ると今までいた母がいなくて、悲しくて苦しくなった。
そんな生活の中で迎えた1年後。私は悲しみに決別しようと思った。
だけど、今度は無性に寂しくなった。母以外に家族がいない私は、一人ぼっち。
一人はやっぱり寂しい。この寂しさを埋めるためにはどうしたらいいのか…。
そうだ!母の代わりになる家族を作ろう!
「子供が欲しい」
自分の血を分けた子供が欲しくなった。そのために必要なモノは…
精子。
それを私の体の中に入れないと妊娠しないし、子供が出来ない。
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