愛が欲しくなるまで

本気で探すモノ

松野兄の行動を聞いて、何かを刺激されたのか一樹まで、私の決断に本当は納得していないと言い出してきた。

今度こそ選んでもらえるという期待を込めて、渡した婚姻届を返されたときの衝撃まで語りだす。切ない表情を見せながら、「今でも好きだよ」を変わらない気持ちを伝えてくる。

一樹の気持ちも、松野兄の気持ちも、ちゃんと本気だと分かっていた。だから、簡単に断ったわけじゃない。私なりにちゃんと悩んだ結果だ。

でも、一樹と松野兄は私の求めるモノを全部理解してくれなかった。唯一、聖斗くんだけが理解してくれた。好きとか嫌いとかそういう問題ではない。だって、そういう感情は必要ないから。

「でも、一樹も松野さんも私と結婚したいと言うから。私は、結婚したくないというのに」

あくまでも私の求める条件に聖斗くんが合ったからだと主張した。私は自分の求める条件に合う人を探している。早く寂しさから脱出するために。