嫌いなモノ

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「聖斗とは、絶対にするな。分かったか?」 耳元で脅すような低い声で言われる。 分かったか?って、何様のつもりなんだか。どうしめ、この男に指図されなくてはいけないのか理解できない。 「うんと返事しろよ。聖斗とどこで会う予定?俺も一緒に行く」 「一緒に?何で……んっ!」 素早く顔を上に向かされると唇が重なった。 今日も勝手なことばかり言うから、言い返そうとしたのに! 何でまたキスするのよ! 顔が近くにあったのがいけなかったのかだろうか。早くにもっと距離を取ればよかったと今更な後悔をする。 胸を押して、離そうとするけど、なぜか後頭部をガシッと押さえ込まれてしまい、身動きが取れない。 「んーーーー」 精一杯の抗議を試みるが、必死で閉じる口をこじ開けられて、舌が滑り込んできた。 濃厚なキス……一樹が舌を入れるキスは濃厚だと言うから、秋絵にも聞いてみた。「それが段々気持ちよく感じるようになるのよ」と意味不明なことを言われた。 段々と気持ちよくなる? 分からないけど、舌を絡めれた瞬間、ビリッとしびれるような感覚がした。
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