嫌いなモノ

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しかし、やっぱり聖斗くんの笑顔は癒されるな。「こんばんは」と穏やかに微笑んで、私の隣に腰を下ろした。 「ねえ、聖斗くんから見て、お兄さんはどんな人?」 「ちょっと、秋絵。何を聞くのよ」 「いいから、小夏は黙っていて」 私の反対隣に座る秋絵は両ひじをテーブルにのせて前のめり状態で、聖斗くんへ好奇の目を向ける。 私のためを思って、聞いてくれているのだとは思うけど、面白がっているようにも見える。そんな遠慮を全くしない秋絵の質問にも聖斗くんは微笑んでから、口を開いた。 「もしかして、さっき聞こえたあの男って、兄のことですか?」 「そう、よく分かったわね。私、まだお兄さんに会ったことがないのだけど、小夏が嫌いだというからどんな人なのかなと思ってね」 聖斗くんは、なかなか勘が良さそうだ。それに、人の顔色とか見るのが得意そう。 そういえば、聖斗くんは何の仕事をしているのだろう。会うのは2回目だけど、この前も今日もスーツ姿ではない。サラリーマンではないのかな。
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