嫌いなモノ

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ところで、桜井さんと聖斗くんはどんな関係だろう。友達かな? 「小夏さん、秋絵さん。俺、ここで働いているんです」 「ここで?え、聖斗くんもシェフなの?」 「うん、まだまだ下っ端なんだけどね」 「いや、聖斗はセンスがあるし、腕もいいから、ものすごい頼りにしています」 桜井さんが聖斗くんをキッパリと誉めると、聖斗くんは頬を赤くして「ありがとう」と小さい声で呟いた。 ん? 何だろう? なんか桜井さんと聖斗くんの空気が、甘いようなものに感じた。それに、照れる聖斗くんが女の子みたいに見えた。やっぱり何かおかしいな。 「では、ごゆっくりお過ごしください」 桜井さんが退室して、ドアが閉まると同時に秋絵が口を開く。 「桜井さんと聖斗くんって、どんな関係なの?」 ただの師弟ではないと秋絵も感じたようだ。 「あ、秋絵さんにはすぐバレるかと思いました。桜井さんは俺の恋人です」 「ええっ!」 私は、ビックリして口を押さえた。だって、恋人だなんて、桜井さんも聖斗くんも男だよ? 人の好みはそれぞれだけど、まさか聖斗くんが……。
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