凱旋、そして――

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「やっと戻って来たわねー。今日は長い一日だったわ」  エリスは吐息交じりに呟くと、庭の小道に足を踏み入れた。その足元で落ち葉が音を立てる。 「シルヴェス、もうちょっと我慢してね。すぐ店に着くから」  エリスはかばんの中に向かって声を掛けた。 「うー。日が落ちると一気に冷えるわね。早く中に入ってお茶でも飲みましょう」  手をこすりながら建物に近づく。すると、不意にミアが「あっ」と声を上げた。  エリスがミアの視線の先に目を向けると、扉の前の薄暗がりに、小さな影が幾つも集まっている。  そこにいたのは四匹の猫だった。 「……猫? 猫カフェの子たちじゃないわよね……?」  エリスは驚いた様子で猫たちに歩み寄る。 「この毛色、前に自警団からかばった子たちです!」  ミアはその猫の顔ぶれに見覚えがあった。
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