守護者の救出

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「ちょっと、シゲトんちへ遊びに行ってくるね」  美月は食事を終えると母にそう告げて、お茶碗とお皿を片付け、台所から二階の自分の部屋に入って机の上で充電していたスマホにLINEの連絡があったのに気付いた。  な、なんと新しい友達のお知らせ。高坂三兄弟の末っ子、ココチからのコメントである。 「今日はありがとうございました。姉と兄が手術中なので、僕から簡単な挨拶とお礼です」  美月は焦って友達に追加して、コメントを返した。救急車で運ばれる前にLINEのIDを聞かれたが、まさか本当に連絡があるとは思ってなかった。  高坂心地は顔の傷から血を流しながら担架に寝転がり、iPhoneがポケットに入っているが、水に濡れて使えるかは不明だと微笑んでいた。 「いえ、とんでもないです。皆さま、大丈夫ですか?」  しかしその後の返事はなく、美月はちょっと返事を期待をしたのを後悔した。あんな超有名兄弟が自分なんかに構ってる暇はないだろう。 『まっ、私もあまり関わりたくはないけどね』  美月はスマホをハーフパンツのポケットに突っ込んで部屋を出ると、自転車に乗って近所の茂人の家へ向かった。
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