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それからというものの、僕は不思議な縁に導かれた。それは、いつも光のベールが目の前を横切って起きた。その流れの元に目をやると、必ず何かを見つけるのだ。
それは、通学路の近道の住宅街のゴミ捨て場にあった大金の入ったカバンだったり――もちろん、交番に届けた。
それは、ちょっと触るだけで倒れる道路標識だったり――折れた中から、なぜか純金っぽいのが出てきたので、怖くなって逃げた。
それは、僕の家の今まで開けたことのない引き出しの中だったり――妙なヘアピンがあったので、かぐやにあげたら、喜んでくれた。
なぜ、彼女にあげたのか。なんとなく、この奇妙な縁は彼女のためにあるような気がしたからだ。根拠はないけど、確か竹取物語でもかぐや姫を見つけた翁は、竹を切るとそこから金が出てきたってあった記憶がある。まさかとは思うが。
それでも、僕はこの非現実な縁に慣れていくのに、それほど時間はかからなかった。
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