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「‥‥ぼくって‥‥ぼくってなんで生きてるんだろう‥‥だれもぼくのことなんか好きじゃないのに‥‥だれもぼくを見てくれないのに‥‥どうして‥‥どうしてなの‥‥おしえてよ、かみさま‥‥」
(‥‥え、何?怖っ‥‥)
業務用のゴミ箱のあたりから、ブツブツと呪詛のような呟きが聞こえて、私は恐怖に足をすくめた。
声自体は、中性的で透き通った綺麗な声なのだけれど、呟いている内容が、なんか暗いポエムみたいだ。
おそるおそる歩を進めて、そっと声の方を覗き込むと、そこには一人の男が体育座りで座り込んでいた。
年のころは、見たところ20代前半。ほぼ白まで色を抜いた髪は、前下がりのボブのように切り揃えられていて、まるでお人形のようだ。
口のあたりにもピアスをしているのがちょっと怖いけれど、顔自体は目がぱっちりした細面。小柄なのも相まって、パッと見は女の子みたいだった。
着ている服も黒で統一されていて、(あぁ、なんかバンドでもやってる人なのかな)と思った。
その男は、最初は俯いてブツブツ呟いているだけだったが、そのうち感極まったのか、声を震わせて、ぽろぽろと涙を流し始めた。
「‥‥ぼっ、ぼくなんて‥‥なにも出来なくて‥‥だめなとこばっかりで‥‥ぼくなんてっ、いないほうがいいんだぁぁぁぁぁぁああうわ――――ん!!え――――ん!!!」
(ヒッ、泣き出した‥‥!!)
ひっく、ひっくとしゃくりあげながら、声をあげて泣きじゃくるその男は、まるで子供みたいだ。
酔っ払っているのかと思うけれど、顔は別に赤くなっておらず、むしろ青白いし、呂律も回っている。
素面でこんなところで泣きじゃくっているのか‥‥?と思うと、この男の精神状態が不安になってくる。
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