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①王様に会って話を聞こう!
「良く来てくれた、勇者Ryo!かくかくしかじかで、この国は滅亡の危機にある。君は、我々が待ち望んでいた、真の勇者だ!! 魔王を倒して、この国を救ってくれ。健闘を祈る!」
王様にそんな事を言われて、すっかりその気になった勇者Ryoは、割と安易な気持ちで旅立つ決意をした。
だが、玉座の間を辞してから、かれこれ一時間程も経つのに、まだ最初の街から出られない──否。
そもそも、城から出る事すら出来ないのだ。
装備は、『布の服』と『革のベルト』だけ。
武器は『木の棒』、防具は『木の盾』のみである。
防御力1、攻撃力1という軽装備だ。
こんな形で、果たして魔王を倒せるのか?
一刻も早く城を出て、武装を強化しなくてはならないのだが──如何せん。勇者Ryoは、城の中で、絶賛『迷子』中である。
彼は、致命的な方向音痴だったのである!
冒険は、早くも前途多難の様相を呈していた。
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