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「蒼紗さんに寂しい思いはさせませんから、毎日長電話してくるのはやめてください。今、何時だと思ってるんですか?蒼紗さんの健康に差し障ります!」
九尾に気を取られていたら、スマホを取り上げられてしまった。犯人は翼君だった。私のスマホに向かって、ジャスミンに文句を言っている。
「お前が頻繁に電話してくるせいで、こいつは寝不足だ」
さらには、狼貴君もそれに加勢する。
「あらあら、にぎやかなこと。お肌に悪いのはわかっているけど、つい止められなくて。じゃあね、蒼紗。また明日も電話するから、ちゃんと出なさいよ!」
「はいはい、おやすみなさい」
時計を見ると、深夜1時を回っていた。さすがに眠たくなってきた。ふわあとあくびをして、私はベッドに横になる。
「今日は仕方ないから、われたちもここで寝てやろう!」
「いきなりどうしたの?」
「なに、ただの気まぐれだ。翼も狼貴も文句はないだろう?」
九尾の突然の発言に、二人は顔を見合わせて苦笑するが、反対はしなかった。すぐに部屋を出て、自分たちの布団を私の部屋に運んできた。
「なんか、ケモミミ少年三人と一緒に寝るなんて、興奮して寝れなくなりそう」
「まったく理解できん性癖だな。とはいえ、一日生活するだけで結構疲れるものだ」
しばらく会話をしていたが、九尾の言う通り、案外疲れていたのか、私は眠気に誘われて寝てしまった。
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