菅ヒロキ

10/12
前へ
/84ページ
次へ
「お、お、おはよ…」 ヒロキは小声ながらも、精一杯の笑顔で二人に挨拶を返した。 正直ヒロキは、クラスの女子と話すのは初めての経験だった。 「舞ちんの事、どう思ってるの?隣に鈴ちゃんもいるし!」 「私も舞ちゃんには負けないよ!家事の手伝いだってちゃんとしてるし!将来の事考えて!」 いきなりの美女二人からの猛烈アタックに、ヒロキはタジタジになっていた。 「もうお昼まで待てない!今、舞ちんの事どう思っているのか教えて!?」 舞ちんに負けじと鈴も言い寄る。 「今ここで、はっきりさせよう!どっちが一番好きなの!?」 「ああ・・・、いや、ちょっと屋上に行こう!」 ヒロキは教室の生徒達が気になり、二人の女子生徒を屋上へ誘う。 「良いよ!屋上で鈴ちゃんと対決ね!!」 「私も舞ちんに負けないから!!」 ヒロキはカバンからラブノートを取り出すと、二人の先頭に立って屋上へ向かう。 「欲を出しちゃうから、ややこしくなるんじゃない・・・」 ラブはあきれた表情で、三人のやり取りを上から眺めていた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加