再会

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だからこうして僕は、人々に目を向ける。 女性だ。女性を見つけるんだ。 あの僕に向けられていた笑顔を、雰囲気を、顔を思い出せ。 そう。僕は十数年こうして暮らしてきた。彼女を探すために暮らしてきた。 虚無に包まれた日々を、一人で過ごしてきたんだ。 もちろん、僕に話しかける人なんていない。最初はいたが徐々に減り、今は滅多にいなくなった。 嬉しい限りである。人と触れ合うことが苦手な僕には、これほど最高なことなどない。 ――トントン。 けれど、今日はその滅多にない日だったらしい。 肩に伝わる手の感触。後ろに感じる、微かな香水の匂い。 (誰だ?) わざわざ後ろに回り込むなんて、気さくな人である。僕の話しかけるなという雰囲気が伝わっていないのだろうか? そんなことを考えながらも、後ろを振り返った。 「……えっ?」 ――そこには、僕が待ち望んでいた人がいた。 叶わぬことが多い中、一縷の希望にすがる思いで、心を侵食する絶望と日々戦いながら待ち続けていた人が――そこには、いたんだ。 喜びが全身に染みわたり、無意識のうちに伸ばしかけた手が震える。 声は涙が邪魔をして出ず、代わりに出てくる嗚咽は堪えてただただこの感覚を味わう。
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