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真相、そして結末
結果を言いたいと思う。僕は、忘れることができなかった。
時間が経てば由姫への想いは薄くなり、ちょっとの想いは残るもののいつかは幸せを望める日が来る、と信じていたのに、一年が経った今、その想いは逆に強まっていた。
離れていたら想いが増し、逆に会っても辛くなる。もうどうしていいか、わからなくなってしまった。
だから僕は――引きこもった。
僕は元々、神サマの暮らしているこの湖で寝泊りをしていたのだ。
なのでここから一歩も出ず、体育座りをして腕の中に顔を埋め、一日を過ごすようになっていた。
神サマは何も言わない。でも僕を優しい目で見守ってくれていることが、見ていなくても気配で分かった。
僕ももちろん何も言わない。言う余裕がない。
あの頃のように、笑って話す元気もない。
僕はただこうして、ここで耐えている。
いつの日か来るかももう分からなくなってしまった瞬間を、迎えられる時を、笑い合える日々を、明日に希望を感じない中、刹那の思いを胸に宿している。
「……ねえ。私が神様と呼ばれている理由、教えようか?」
そんな廃人のような生活を送っている時、いつもは閉じられている口を開き、神サマが僕に声をかけた。
遠慮がちに、くぐもった声で、でもはっきりと。
けれど、僕は顔を上げない。今の顔を、見られたくない。
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