エピソード8…コンビ

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「長田統括部長は、この間統括部長になった人で、赤石さんをあまりに快くは思ってない様なんだ。この間の新入社員との競わせ合いの様な仕事も部長が絡んでいた。会社から赤石さんを追い出したいんだと思う。 社長は中立、副社長はかつての赤石さんの上司で味方、他にも赤石さんの味方はいるけど、俺は元々、t.a企画寄り…邪魔は邪魔なんだろうな。」 「気に入らないからって…私情で仕事を…。」 秋月の話を聞いて呆然とした。 「赤石さんから聞いた事はなかったのか?」 その様子を見て、秋月は小さな声で聞いた。 「いいえ…。赤石さんは何も…。」 下を向いて答えて、ポケットからスマホを出した。 「電話します。赤石に連絡を…。引き受けた事も話さないと…。」 「あ、あぁ…そうだな。必要なら変わる。それと、澤井…。」 身体を斜めにして座り直し、秋月は秋生のスマホを持つ手を掴んだ。 「…はい?」 「俺の事を考えなくていい。俺はどうとでもなる。無理に引き受けなくても良い。赤石さんが止めろと言ったら、従え。今ならまだ断れる。誰が聞いたって無茶だ。他社の人間がうちの人間を纏めて仕事するなんて…。」 「…ですよね?でも、3日間だけです。秋月さんの代わりを務めるのは。 それに秋月さんの補佐だから、秋月さんじゃなければ断ってました。 補佐…してみたいと思いました。素直に…。じゃあ、電話しますね。」 秋生も少し斜めに座り直す。 背後から秋月が秋生を抱きしめた。 「仕事……叩き込むな?覚悟しろよ?」 「……はい。」 返事をするとパッと離れた。 『もしもし、赤石です。』 スマホから返事が聴こえて、秋生は慌てて声を出した。 「お疲れ様です。澤井です。実は今、長田統括部長に部屋に呼ばれまして…。」 二人が考えていた反応は赤石からはなかった。 秋生も秋月も驚いていた。
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