秋雷〜ハッピーエンド

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秋雷〜ハッピーエンド

秋月が忙しくなる前の11月22日。 何故かこの日が良いと秋月に言われて、待ち合わせをして婚姻届を提出する。 10月の後半、両家に挨拶は終えていた。 どちらの家も再婚同士という事もあり、反対はなく喜んでいた。 仕事の合間に来た秋月は汗だくだった。 「大丈夫?」 ハンカチを出して汗を拭いてあげる。 「うん…ごめん、遅れた。」 「そんなことはいいけど…忙しいなら、私一人でも良かったのに…。」 「駄目だよ。秋生は別にいつでもいいしとか言いそうだ。絶対、今日、決めてたんだ…。ほら、俺、バツイチだし…。」 息を切らしながら秋月は話す。 「別に気にしてないよ?それを言い出したら私も子持ちだよ?どうして今日じゃないと駄目なの?」 「どうしても!秋生は然がいてプラスだけど、俺のバツイチは性格に難ありみたいでマイナス!」 (普通は、子供がいたらマイナスになるのよ?) 口角が上がり、秋生は幸せを噛み締めた。 それには気付かず、秋月は話を続けた。 「秋生若いし、うちの石田はまだ狙っているんだ。これでやっと会社に公表出来る。そしたら石田も諦めるだろう。もう、今まで仕事で秋生が来ると心配で心配で……。」 「それ言い出したら…秘書の笹川さんは?誘われたでしょ?知ってますからね〜。彼女、相手にされなくて長田さんに手を貸したんでしょう?」 それを聞いて秋月の顔色が変わる。 「何でそんな事知ってる?」 「ふっふっふ…。私に隠し事出来ると思わない方がいいよ?」 「怖いなぁ…。まぁ、尻に敷かれてる方が家庭円満て、言うらしいからいいか。」 行こうと言われて手を差し出された。 自然にその手を取った。 触れたその手は熱い…そして暖かい。 11月22日…澤井 秋生 25歳 秋月(あきづき) 秋生(あきお)になりました。
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