エピソード1…秋月

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「なぁ…詳しい事は聞かないけどさ?一度離婚を経験して、少し消極的になってないか?仕事人間のお前がさ? 飲みに行きますのメールだけで、仕事片付けてそこに行くだけでも凄くないか?もうそれ、惚れてるだろ?」 「……惚れていたら告白?今更、付き合って下さいか?」 お盆に乗ったうどんを一口食べてから言う。 遠くで秋月さんいるよ…と言う女性の声が聞こえてくる。 「ほら!モテてる。羨ましいね?秘書課の笹川さん、お前の事好きらしいよ? この前も飲み会に誘ってただろ?」 「笹川さんには誘われてない…。」 「だからぁ…相川は笹川に頼まれたの!あの二人は同期だから!」 「同期会だと思って断った。俺は同期じゃない。先輩が顔だしたら気を使うだろ?それに笹川さんが本当にそうなら、余計に行かない方がいいだろう。俺にはその気がない。」 「………じゃあ、その歳下ちゃんが、好きだから飲みに誘ってます!と言ったら?」 「……………行くかな?」 少し間を空けて、秋月は答えた。 その言葉に戸部はため息を吐いた。 「もうな?重症!完全にお前はその子に落ちてる。 想像したらいい。その子が他の男と仲良くお酒を飲んでいる。」 「構わないよ?この前もおじさんと仲良く飲んでいた。」 「手を繋いで飲み屋を出て行く!」 「手を繋ぐのは駄目じゃないか?」 もぐもぐと話しながら、前を向いたまま返事をする。 「そのまま相手の家に行く!お泊まりする!相手のものになる!」 「ばっ!!お前!なんて事を言うんだよ!」 箸を置いて秋月は横を見た。 「な?駄目だろ?」 ニヤリと笑う戸部がいた。
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