1990人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
「なぁ…詳しい事は聞かないけどさ?一度離婚を経験して、少し消極的になってないか?仕事人間のお前がさ? 飲みに行きますのメールだけで、仕事片付けてそこに行くだけでも凄くないか?もうそれ、惚れてるだろ?」
「……惚れていたら告白?今更、付き合って下さいか?」
お盆に乗ったうどんを一口食べてから言う。
遠くで秋月さんいるよ…と言う女性の声が聞こえてくる。
「ほら!モテてる。羨ましいね?秘書課の笹川さん、お前の事好きらしいよ?
この前も飲み会に誘ってただろ?」
「笹川さんには誘われてない…。」
「だからぁ…相川は笹川に頼まれたの!あの二人は同期だから!」
「同期会だと思って断った。俺は同期じゃない。先輩が顔だしたら気を使うだろ?それに笹川さんが本当にそうなら、余計に行かない方がいいだろう。俺にはその気がない。」
「………じゃあ、その歳下ちゃんが、好きだから飲みに誘ってます!と言ったら?」
「……………行くかな?」
少し間を空けて、秋月は答えた。
その言葉に戸部はため息を吐いた。
「もうな?重症!完全にお前はその子に落ちてる。
想像したらいい。その子が他の男と仲良くお酒を飲んでいる。」
「構わないよ?この前もおじさんと仲良く飲んでいた。」
「手を繋いで飲み屋を出て行く!」
「手を繋ぐのは駄目じゃないか?」
もぐもぐと話しながら、前を向いたまま返事をする。
「そのまま相手の家に行く!お泊まりする!相手のものになる!」
「ばっ!!お前!なんて事を言うんだよ!」
箸を置いて秋月は横を見た。
「な?駄目だろ?」
ニヤリと笑う戸部がいた。
最初のコメントを投稿しよう!