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赤石社長に中川と今回のトラブル報告していると、佐伯も後から加わった。
「今、博報社にいる大学の同期に聞いたんですけど、高田さんが受け取った原案を見て修正したそうです。こっちの方がセンスいいだろうって…。
秋月さんに見破られて白状したらしいです。
新人で担当になったのに、秋月さん中心でうちみたいな下請けに仕事回されてって感じですかね?自分の方が出来る!そう思った様ですね。」
「うん……。うちとは取引だし…そこはね?どうこう新人が言ってもね?
仕事が欲しいなら動かないとね?
災難だったけど、3人共、良く動いて、良く頭を下げてくれました。
ありがとう。ご苦労様。また、明日からよろしくね。」
「はい、失礼しました。」
3人で頭を下げて、社長がうちの社長で嬉しく思う。
「佐伯さん、中川さん、私のミスでご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした。」
社長室を出て、直ぐ二人に謝った。
社長の配慮で、初めての大きな仕事に集中出来る様に、これしか担当していない秋生とは違い、二人は別の仕事も受けている。
余計な時間を割いて、迷惑を掛けた。
何時間でも秋月を待てば良かったのかもしれない…とも考えた。
「仕方ない。まさか預かった担当者が勝手に変えるとは思わないしな?」
「そうだよ、澤井。秋月さんが不在だった事も、珍しい事じゃない。その為にメールしてあるんだからな?あの人、今、7件同時進行らしいから、会議の連続で不在が多いんだよ。」
「な、7件ですか?」
(本当にスーパーマンみたい…。)
心の底から驚いた。
「うん。まぁ、大手でいくつか重なる事は普通だし、大きい仕事と小さい仕事とかね?仕事、出来る人で好きな人だけど、ちょっと多いよなぁ。」
佐伯はそう言うと、気にするなよ、と付け足して別の仕事へ向かった。
中川も仕事に行き、一人事務所に戻る。
腕時計はもう19時を過ぎていた。
「うわ…。やばい。ご機嫌斜めになってるよ…。」
急いで買い物をして、家に帰った。
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