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エピソード1…秋月
1ヶ月、秋生は伊藤との仕事に熱中した。
その間、秋月から二度程、飲み屋にいるけど来れないか、というメールが入った。
その都度、丁寧にお断りのメールを送った。
「また駄目だった……。」
昼休みの社食で、秋月は秋生からの返信メールを見る。
ため息を吐いて、戸部に話した。
「誘うの何度目?」
「この半年だと……6回かな?」
「全滅?」
「そう…。」
「まぁ、でもさ、忙しいだろ?それに、向こうからお誘いはあるんだろう?」
慰めて戸部は聞いてくれる。
「お誘いというか…俺がここで飲む時は教えてくれと頼んだから、明日飲みますとか、何日に行く予定ですとか来る感じだな。」
「教えてって言ったのか?」
「ああ。」
「律儀に教えてくれる訳だ…。で、お前は無理をしてでも時間を作り行く訳だ…。」
「そうなるな?」
「重症じゃないか……。」
戸部の呆れた声が聞こえたが、メールを見つめて秋月はため息を吐いた。
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