1:五人の冒険者

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 かつて世界のすべてであった〈偉大な原初〉――  その巨大な存在が分解したことで[海]と[大地]、[空]と[星]、そして数多の[神々]となった――  やがて時が過ぎ、大地に人間と妖精が生まれ、彼等により築かれた偉大な〈魔導文明〉が栄え、そして滅び、荒々しい[剣]の時代となった現在―――  何時の頃からか〈冒険者〉を自称する、所謂[何でも屋]が現れた。  彼らは時に遺跡を探索して財宝を持ち帰り、時に世間を跋扈する怪物や悪党を退治して賞金を得て、そして時には自らが悪となり、略奪する――    ここは、そんな冒険者の集うサルーンである。  酒場も兼ねた、典型的な室内の角にあるテーブルに集う五人の冒険者は、パーティを組んで間もない駆け出しに過ぎない若者達であった。  彼らはパーティ名を〈シーカーズ(探す者たち)〉と云った――  これは、彼らシーカーズが後の世、一廉の英雄としてこの地に名を馳せていくかどうかわからないが、少なくともその第一歩を踏み出そうとする物語である。  筈である――
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