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魅せられて
そよ風が気持ちのいい季節になった。コンビニの帰り道いつもより遠回りをしながら、二人手を繋いで歩く。
久しぶりに触れた手はいつもより熱く感じた。
雲から月が顔を出して、二人を包み込むような柔らかな光で照らしている。
突然抱きくるめられて、驚いた。
「どうした?」
と聞くと、
「貴方が消えてしまいそうだったから」
きつく抱き締める。
ふふっと笑ってしまう。俺よりひとまわりも大きな成りして何を心配するのか。
「じゃぁ、ずっとこうして捕まえとけよ」
そう言って抱き締め返すと、お互いを見つめて顔が近づく。いつになく柔らかくて優しいキスに、胸がきゅんと締め付けられた。
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