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その後もきっちりもてなされ、
夕食も頂き、客室に通された。
振る舞われた懐石料理はどれをとっても美味しかった。
まあ、割合とっつきやすい国王には驚かされた。
なんでも地下に酒蔵があるらしく、和酒と呼ばれる日本酒擬きを飲んでいたのだけれど、
出した本人が酔っていたな。
こっちの世界では年齢関係なく酒が飲めるらしい。今まで飲んだことがないと言ったら驚かれ、俺も貰った。
飲みやすい酒だと思って進められるがままに飲んでいたら、カイトが、初めてなんだからそれ以上勧めるな、と国王を嗜め、
そのあたりで宴もそこそこにお開きとなった。
客室は洋室と和室とどちらがいいかと聞かれ、とっさに和室と答えた。
ずっと洋室だったしな。
高校入学からは一人暮らしでなかなか家に帰らなかったし、余計に懐かしさを感じる。
座卓に置かれた急須と茶、茶菓子はおばあちゃんの家を連想させた。
1日で帰る予定だった為、浴衣と元の服しかなかったが、寝るためとしての浴衣が用意された。
まあ、浴衣なら端折ればサイズフリーだしな。
何気に端折らないセラフィムはルイスに文句を言われていた。
ルイスも低いわけでは無いが、俺ら3人の中では一番低いし。
布団は敷いてあるし、なんだか旅館にでも来たみたいだ。
…今度、ある程度お金貯めたら
のんびり一週間ぐらい、和国に温泉旅行でも来るかな。
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