2.異世界生活始めます

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そういえば、忘れていることがある気がする。 湊「ルイスって、生徒会長なのか?」 ルイス「今更⁉」 今いるのは訓練室。 通常は一年時に魔武器製作と使い魔召喚をするらしいが、所持していないと聞いて、理事長が魔法陣を解放してくれた。 因みにギルマスは帰った。 湊「忘れてた」 と正直に言えば、落ち込むルイス。 もしかしていじられキャラか? ルイス「まあいいや、召喚について説明するね」 この立ち直りの早さ、俺の中でいじられキャラ確定だ。 戦闘訓練で基礎を固めた後にするはずらしいが、討伐依頼での様子から、もし戦闘になっても大丈夫だと判断したらしい。 ルイス「魔法陣に血を垂らしたら召喚できるから。 複数人の血を垂らすと、禁忌召喚になって死神が出てくるから、それだけは絶対にしないでね」 言われた通り、陣の中心に立ち、創造した針を使って血を垂らす。 「っーーー」 眩い光が納まり、そこにいたのは 湊「セラフィム?」 そう、俺を転生させた神と共にいた熾天使、セラフィムだった。 セラ「あー、あれか、使い魔召喚か。いいよ」 辺りを見渡した後、握手するように手を出してきたのに応えれば、体に不思議な感覚が走る。 セラ「魔力交換終わりな。で?そこのは?」 あ…またルイスを忘れていた。目の前で手を振っても反応なし。完全に石化している。 セラ「そういう時はこうすんだよ【サンダーボルト】」 湊「でも俺、雷属性持ってない」 ルイス「のんきに会話してる⁉」 あ、ほんとだ。ルイス目覚めた。 ルイス「過激過ぎだし意味わかんないし。本当にこれが天使なの?でも在り得るよね、今まで召喚主をとことん負かして召喚に応じなかったといわれる伝説の天使セラフィムだもん。ってはぁ?」 独りで考え込んだり驚いたり。騒がしい奴。 セラ「属性ならやるよ」 完全無視を決め込み、それだけ言ってまた手を握るセラフィム。 途端、さっきのに似ているが、それよりも強い感覚が体に走る。 セラ「あそこに向かって、サンダーボルト、打ってみろ」 訓練室の壁際にある的を指さすセラフィム。 「【サンダーボルト】」 黒焦げになる的。 セラ「詠唱破棄をもう習得したのか?それでこの威力かよ」 湊「詠唱破棄?そういえばそんなものも」 セラ「忘れてただけかよ」 湊「必要、無いし。初級だし」 小説でそんなものあったかと思えば、なるほど、最強主人公と愉快な仲間たちがしていなかっただけで、その他キャラはしていたような気もする。けど、詠唱法、知らない。神の知識は中途半端だったりする。 ルイス「いや、それよりもさ!属性増えたことに驚こうよ!」 セラ「ルイスうるさい」 ルイス「なんで話したことも無い奴に言われなきゃいけないんだ…」 落ち込むルイス。どんまい。 湊「けど、確かにそうだ。何で属性が増えた?」 セラ「俺の持ってる属性、お前にコピーしたから」 …… 湊「そうか」 何でもありなんだな。最初に神様に属性頼んだ意味はなくなったけど。いっか。 ルイス「いや、普通は無いからね⁉魂の契約とか、大きな代償を払わなきゃいけない上に、死と隣り合わせだからね⁉今まで成功者なんて聞いたことが無いよ!」 湊「ルイス、ステイ」 犬みたいだと散々思ってたら、つい実家の犬みたいな対応をしてしまった。 ルイス「湊、ひどい…オレ犬ちがう…」 ついに文が話せないほどに心を折ってしまった。 湊「わるい」 ルイス「うん、もう気にしない。てか、魔武器作ろ!うん。石は」 セラ「石ならやる」 セラフィムの手にはどこからともなく石が現れていた。所謂、魔石ってやつ。 作りたい武器や、その性能を思い浮かべながら魔力を込めれば石が魔武器と呼ばれるものに変わる。 魔武器と通常の武器の違うところは、様々な性能がついていたり、呼び出し直せば破壊されていても元に戻る、形状記憶と呼ばれる機能があるところや、基本的には製作者にしか扱えないところ、ある条件を満たせば、武器ランクが上がり、性能が増えるところなど。あとは物による。 セラ「流す魔力は量より質だからな」 より密度の高い魔力が流れるよう意識しながら武器製作。 ついつい量も多くなり、石の許容量を超える。 ピキッと音がしたと思ったら、白い光を放ち、消えた後には黒光りするものが。 ルイス「名前を付けたら性能が分かるよ」 んー 湊「黒龍」 セラ「天使を使い魔に持ち、魔武器の名前は邪神ともされる黒龍か」 湊「そんなの、考えてなかった」 ネーミングセンスが無いから、黒い銃身に龍が彫ってある、ただそれだけの理由で名前をつけた。 湊「別に、西洋神話の天使と、東洋神話の黒龍だし。よくないか?」 セラ「まあ。湊がいいならいい」 性能は…消失、形状変化。 ルイス「銃作ったの?てっきり、湊は剣士とかそっちだと思ってた」 まあ、討伐の時に出したのは太刀だしな。 湊「あれは気分」 ルイス「ああそう。もういいよ。気分であんな綺麗に捌くとか。もうわかんない」 湊「形状変化、剣」 セラ「おお、形状変化があるのか」 ルイス「普通ないからね!」 対極的な反応の仕方だ。 ルイス「とりあえず、ギルド行かなきゃ」 湊「何しに?」 ルイス「属性増えたでしょ!カードに登録しなきゃいけないんだよ」 ああ、そんなのもあったな。 「「すっかり忘れてた」」 ルイス「もうヤダこいつら」 セラ「まあ、早いとこ行くぞ。【強制転移】」 ルイス「ちょ、学校の結界無視しないで!」 こうして俺たちは、ルイスの叫びとともに、セラフィムの魔法でギルドを訪れた。
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