5.和国に来ました

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特等席だというバルコニーはカイトの部屋のものだった。 城の上層からは祭り会場もよく見える。 これだけの人混みでよくカイトに会えたな。 カイト「アレン、ありがとう」 テーブルセットはあったものの、椅子が足りなかった為、準備してくれたようだ。 にしても動きが早い。 カイトが礼を言い、一礼したと思ったらもういなかった。 城には不釣り合いなラムネ瓶が並べられている。 遠く響くカウントダウンと喧騒を聞きながらラムネを開ければ、夜空に数多の大輪が花開いた。 ルイス「和国の花火はさすが、綺麗だねー!」 湊「そうだな」 都会の空は空気がここまで澄んでいないし、 大きな建物ばかりで近くなければなかなか見られない。 でも、それはウィスタリアも同じだ。 ルイス「やっぱりこのぐらい、色づいてた方がいいよね」 カイト「ウィスタリアの花火は単色ですからね」 湊「単色なのか?」 ルイス「湊はまだ、ウィスタリアの花火、見たことないもんね」 カイト「花火の色つけ技術は、和国独自のものなんだ。これに関しては、誰も他所に教えたがらないから。花火師内でも、色つけ工程の人しか知らない」 湊「そうか。勿体無い気もするな」 けど、色無しの花火も見てみたい。 ある種綺麗だろうな。
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