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〜sideセラフィム〜
月曜日 三、四時間目 戦闘授業
不可視の呪文を解いた俺は湊の隣にいる。
番号を引いて順に模擬戦をするんだが、湊は20番、トリだ。
なんせ40人クラス、学生同士の戦闘なんて、余程の差がなけりゃすぐには勝負がつかない。
待ちくたびれて、湊はちょっと、機嫌悪かったんだよな。
湊「基礎すら脆い。ホントにSかよ」
ぼそっと呟いてた。
まあ、俺も、コントロール甘いなとか、スカスカだなとか思ってたけど。
それをクラスにいる、脳内花畑勇者のハーレムメンバーの一人が聞いてたんだよな。
「勇斗相手でもそんなことが言えるの⁉︎」
それで結局、2人が模擬戦することになったんだ。
結果は…
身体強化もなしに、キレかけの湊が鳩尾ワンパンして終了。秒で、って言うか、開始の合図とほぼ同時に終わったんだよ。
元々喧嘩慣れしてるしな。
そこら辺から魔力量が多いとかいう理由で転生させられた勇者よりはよっぽど強い。
しかもこの勇者、訓練サボって女といちゃついて過ごしてるし。
けど、この国にとっての勇者は絶対的強さ。
それに勝ったとあっては…
クラスメイトから、めっちゃ遠巻きに見られるようになった。
カイトだけは変わらないけど。
廊下歩く時も、モーゼの海割り状態だし。
まあ、他のクラスメイトとそんな話すことなかったし、気にすることないと思うんだけどな。
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