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3.本格チート、誕生します
エリス「おかえりなさーい」
マス「なんだ、ずいぶん早かったな」
挨拶もそこそこに、ルイスが切り出す。
ルイス「湊の属性、測り直していい?」
エリス「何かあったんですか?」
湊「属性、増えた」
エリス「え⁉」
マス「いや、待て、何があった」
湊「かくかくしかじか……」
相づちがうるさかった。え、とか、は?とか。
一番驚かれたのは、セラフィムが使い魔だってこと。
今まで呼び出されたことはあっても、戦闘に持ち込んで、完膚なきまでに打ち負かしていたらしい。セラフィムは隣で苦笑していた。
マス「セラフィムが使い魔になるぐらいなら、何でもありなんだろ」
呆れたように言われる。
マス「で、測り直しだな」
昨日と同じ部屋で測れば、
マス「光闇に付け加え、雷、炎、水、風、地な。自然系全部かよ。特殊属性は創造と空間。もう、中央のでかいギルド行けばよかったじゃねえか」
俺が三つ神に頼んだの、意味ねーじゃん。
カードに入力し直しているところへ白いフードに赤い仮面の人物が。
「おお⁉なんだこいつ、こんなとこで燻ってるには勿体無いんじゃねーか?」
マス「人のカードを勝手に覗き見るんじゃない。しかもなんだ、久しぶりに来たと思ったら、こんなとこって。確かに俺のギルドは小さいが、その言い様はないだろ」
どうやらギルマスの知り合いらしい。
「こいつは炎帝な」
炎「なあ!俺、こいつと戦ってみてぇ!訓練場借りるぞ!」
俺の腕を掴んで地下へと続く階段に引っ張っていかれる。
湊「え、ちょ」
マス「すまん、こいつは戦闘狂でな。悪いがちょっと付き合ってやってくれ」
いやいや、ギルマス!俺、まだギルド登録したばっかだからね⁉
ルイス「湊なら大丈夫だって!」
ルイスめ。セラフィムも笑ってみてんじゃねーよ。
湊「…裏切者」
そうして訓練場。
ルイス「始め!」
何故ルイスが審判をしているのかは置いておく。しかし、だ。
炎「【フレアテンペスト】」
開始の合図と同時に炎帝が魔法を放つ。
湊「ふざけんじゃねー」
雨の如く火が降り注いでくる。
湊「【結界】【身体強化】【カオスアロー】」
自分の身に結界を施し、光と闇の混合魔法、混沌で火を消失させていく。だが、それだけでは相手に攻撃は仕掛けられない。
炎「アガってきたーー!【黒炎】」
叫ぶついでのように上級魔法を放たれる。
大きな壁となって迫りくる炎。
湊「【大津波っ】」
水の魔法で相殺。炎にまかれることは回避したが、水蒸気の幕が。しくじったな。けど、これを有効活用しない手段は無い。
湊「黒龍、形状、短剣」
呼び出した黒龍を逆手に持ち、一瞬にして炎帝の背後をとる。これは身体強化の賜物だ。
炎「降参、だ」
ルイス「勝者、五十嵐湊」
炎「俺は!もっと強くなる!」
…うん、もういいよ、それで。炎帝は叫んだなり、走ってどこかへ消えた。
セラ「ほんと、そのコントロールどうしたんだ?昨日転生したばっかじゃねーか」
湊「セラフィム…」
セラ「あ。」
話した方が良いやつか?これ。
セラ「今から少し、話しても良いか?」
そして、機械世界という名の、魔法の無い、違う世界から来たこと。ちょっとヤンチャしていたことを話す。神に殺されたことも。
マス「イレギュラーなわけだ」
ルイス「昨日だって買い物して家帰って、することして即行寝たでしょ?それでこれはすごいよね」
ルイスの疑問はもっともだ。
湊「今朝、早く目ぇ覚めて、魔力球作ってたら二時間経ってた」
ルイス「朝ご飯作ってたのが七時だから…
そんな早起きしてたの?」
湊「気づいてなかったのか?」
セラ「てか、一緒に住むことにしたのか?」
ルイス「え?あ、寮の案内してない!」
マス「寮の案内まだなのか?だからこんな早くに戻ってきたんだな。戻って案内してこい」
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