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4.学生生活始めます
そんなこんなで始業式。
理事長に呼ばれて行けば、髪ボサボサ、シャツのよれた人がいる。始業式ぐらいちゃんとしようとかないのかって感じ。
正直、めっちゃアイロンかけたい。
「2年Sクラス担任のレイだ。転校生の五十嵐湊だな?」
けど、わかる。この人は、強い。
湊「ああ、よろしく頼む」
レイ「なあ理事、こいつ普段からこんな感じか?」
ゼノ「ええ、そうですねー。私にもそんな感じですよ」
レイ「そうか。…そっちの奴は誰だ?」
ゼノ「彼の使い魔のセラフィムですよ。一緒に登校するそうです」
レイ「…そうか。五十嵐、こっちだ」
セラフィムは置いてけぼりを食らうのが嫌だったらしく、理事長に直談判したらしい。
今朝聞かされた時は俺も驚いた。
レイ「不可視の魔法かけとくか」
どうやら知っている人にしか見えないようにしたようだ。
レイ「呼んだら来いよ」
ガラガラ
レイ「おい、聞けよ、このクラスの担任はオレだ。クラスメイトは変わりないからそんな騒ぐ必要ないだろ?で、転校生が来るからな。五十嵐、入れ」
「「「キャ「静かにしろ!」」」」
思わず耳を塞ぎたくなったが、レイが止めた。
湊「五十嵐湊だ」
レイ「自己紹介する気無しか。色々あるだろ?」
湊「和国から来た。…これでいいか?レイ…先生?」
レイ「…まあいい。お前の席は向こうだ」
窓際最後部席。
レイ「今から始業式だからな。五分後には講堂に整列しておけよ?」
そう言ってレイは転移した。
「ヤバイ、講堂遠いよ!」
大騒ぎなクラスメイトを尻目にのんびり構える俺。
「なあ、俺、カイト。よろしくな、湊」
前の席の奴に話しかけられた。馴れ馴れしい奴多くないか?
カイト「講堂の場所わかるか?結構遠いんだけどさ」
湊「…転移すればいいんじゃないか?なんでこんなに騒いでるんだ?」
カイト「転移防止結界張ってあるからだよ。この学園で転移できるのは理事長、レイ先生ぐらいだ」
湊「そうなのか」
パチン
カイト「え、なんで講堂着いたんだ?結界は?」
湊「このぐらいならどうにかなる」
因みに、パチンというのはセラフィムが指を鳴らした音。無くてもできるけど、雰囲気が無いのは嫌なんだと。
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