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月
皆さん、こんばんは。
俺の名前はタクミ。
会社に入社してから、ずっと片想いしていた上司のカズマサさんに告白してOKを貰えて、今付き合っています。
俺、幸せだぁーーー!!!
本当に良かったぁーーー!!!
今日は金曜日、仕事終わって二人で飲みに行こうと言うことになり、それなら「うちで飲もうか」とカズマサさんが家に誘ってくれましたぁーー!
皆さん、どうしましょう!
恋人の家に誘われましたよ!!
しかも、明日休みだよ!!!
ふふっ、誰だっていろいろ期待しちゃうヨネ!
でも、でもなー、カズマサさんはノンケなんだよー。
ゲイの俺とも付き合ってくれる超いい人なんだけどー、超優しい人なんだけどー。
カズマサさんノンケだからなー、でもなー、
俺達いちお恋人同士だしなー。
恋人同士ですよね?カズマサさん!
期待しちゃっていいですよね!
いや、むしろ俺からアクションを起こせばいいのか?!
起こして、引かれてらマジ沈みますけど。
「タクミくん、見てよ。」
カズマサさんの声がして見れば、カズマサさんは空を指差す。
「満月綺麗だね。」
うぉふっ、月夜がバックのカズマサさんカッコウイイ!!マジいい男!!月より貴方の方が美しいです!!
そして、ごめんなさい!!満月の中、こんなエロに関することしか考えてなくてスミマセン!!
「本当、キレイですね!俺夜空見上げたの久しぶりです!月のうさぎもよく見えるなぁ!」
俺も立派な満月を眺める。
「本当に今日の満月は綺麗だね。」
と、カズマサさんが満月を見上げながら呟く
。
「満月で発情した狼獣人がたくさん出そうだよね。」
ん?
今なんて言ったんダロウ?
あ、皆さん、言い忘れてましたー。
カズマサさんは自称腐紳士なんでしたー。
ボーイズでラブなマンガや小説に今ハマっている方でしたー。
俺は、ゲイだけど、二次元はあんまり見たことないけど、カズマサさんがどんな趣味を持っていても引きませんよ!!
むしろ、カズマサさんの新たな一面を知れて嬉しいくらいです。
BLに関しては、俺がハマらせてしまったみたいなものだし!
ゲイのこと調べて、BLハマるカズマサさん可愛いすぎる!!
ついでに、俺にもハマって下さい!!なんちゃって!
「マンガのキャラの話ですか?」
「うん、狼獣人のね。狼男と言えばいいのかな?ホラーじゃなくてBLの話だけど。
満月はみんな興奮して発情しちゃうんだ!」
「、、、、発情。」
え?もうこのネタで今夜襲っちゃう?
いや、しかし、一歩間違えれば性犯罪だぞ俺!
暴走するな俺!しっかりしろ俺!
「お団子買って帰らないかい?」
「ダンゴですか?」
「うん。」
「月見の季節じゃないけれど、今日タクミくんと月見したくなったんだ。」
手に温かい感触がして見てみれば、カズマサさんの手が俺の手を握っていた。
カズマサさんを見て俺も
「お、おらもっ!!」
はい、舌噛みました!はい、撃沈!
オラって何処の田舎もんだよ!
うおおーーー、恥ずかしい。
穴があったら埋まりたい。
俺は恥ずかしさに俯きながら小声で返事をしました。
「、、、、、、、、俺もカズマサさんとお月見したいです。」
カズマサさんは笑って、俺の手を握って歩き出しました。
「今度の本当の月見もしようね。二人で。」
「、、、、はいっ!!」
今、この人と手を繋いで歩ける幸せを
俺は一生忘れない
月を見上げて歩くカズマサさんの耳が少し赤く見えたのは寒かったからか、月が魅せたイタズラか、、、、(カズマサさんの狼耳姿見たいなハアハア、、、、)
完
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