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「いい加減白黒つけようじゃない!」
休み時間に入った途端、教室に興奮した様子の女がそう叫びながら入ってきた。女は俺の席の前までたどり着くと、バン!と机に手をつき、俺を睨んでくる。
「……なんの話だよ」
「とぼけんじゃないわよ昨日のことよ!」
「昨日……あぁ、あれならもう決めた」
「えっ、で、どっちにすることにしたの!?」
「悪いけど向こうにすることにしたわ」
「はぁ!?あんな根暗のどこがいいのよ!?」
「いやほら、なんか雰囲気が落ち着くというか…」
「はぁ!?意味わかんない!」
「もう届け出してきたんだ」
「……届けぇぇぇ!?!?」
「そ、仮だけどね。もうちょい色々見ながら最終的に決めようかなって」
「色々って……あんたどういう神経してるの?」
「別に普通だけど?みんなそんな感じだし」
「いや嘘でしょ!?真面目な話してんのよ!?」
「俺は至って真面目だけど」
「えっ……」
「え……部活どこにはいるかって話……だよな?」
「………」
「………」
「……アホ死ね!」
そう言って女は走り去っていった。いやまて、マジでわからん。
俺は昨日女から受け取ったメッセージを確認するためにスマホを取り出す。
「……月が綺麗ですね……ってなんだよアホ」
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