ラストノート1

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 読み進める程に、色濃くなって行く別れの二文字に、俺の心臓がどくんどくんと忙しなく跳ね上がり、ぐらぐらと頭の芯が溶かされていく。  理解できない、なんだこれは。  葵が書いたのか?  日記と記されたそれは、文字が多い日もあれば、一行で終る日もあるが、着実にこの小さなメモ帳の中で、葵の心は俺から離れようとしていた。  これが現実なのか、はたまた疲労で何処かで倒れた俺が見せている悪夢なのか分からない。
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