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「はぁ、はぁ、はぁ。何でこんなことになっちゃったの?」
ふと、私は時計に視線を移した。
「え? まだ7時15分?」
時計は夜の7時15分を指していて、変な宇宙人に外に呼び出される前の時間から1分も経っていなかった。
あの変な宇宙人、時間を止めることも出来るの?
時間を無駄にせずに済んだのは不幸中の幸いだった。
バテバテになるまで踊らされたうえに時間も無駄にしたんじゃたまったもんじゃない。
てかこの先もまたあの変な宇宙人に呼ばれてあの舞を踊らされるのかな……? そんなの絶対嫌だよ!! 勘弁だよ!!
そんな私の願いも虚しく、次の日も同じような時間に呼び出され、再び喜びの舞を踊らされてしまうのだった。
次の日も、また次の日も、私は変な宇宙人に呼び出され、喜びの舞を踊らされた。
しかし、呼び出されない日もあった。
そんな日々を繰り返す中で、気付いた点がいくつかあった。
月が見えない日は呼び出されない。そして、これは私の勘だけど、多分奴は月の生命体で、あの喜びの舞は何か重要な儀式か何かの時に踊る舞なのかもしれない。もしくは、ただ単に私の喜びの舞が月の生命体のツボにハマって、一緒に踊りたくなっただけなのかもしれない。
で、邪魔が入らないように、奴と私以外の時間を止めていたのだろう。
こうして、変な宇宙人と嬉しくない出会いをしてしまった私。
これからもずーっと変な宇宙人に喜びの舞を踊らされ続けるのだろう。
…………はぁ。
誰か、誰か私を助けてーーーーーーーー!!!!
【終わり】
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