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夜中、
用事を済ませ、毛布やら枕やらを抱えて部屋に戻るとソファにキセの姿はなかった。
「おい、キセ」
風呂とトイレを確認するもいない。
「、、、、」
寝息らしき人の気配はする。
が、それは仄かな灯りが点るロフトからだった。
手摺のない段差だけの階段を上がると、床面からキセの黒い頭が見えてきた。
「なにやってんだ、お前はソファ、、、」
「ぐぅ、、、」
思いっきり口を開いたキセが俺の枕を腹から股にかけて挟み、横抱きにして寝ている。
その様を見、俺はそのまま冷えたコンクリートの段差に座った。
同時に舌打ちも出る。
「ったく、、、」
溜め息をつきながらスマホを取り出し、初日の報告を打ち込んだ。
『管理対象: 木瀬春馬についての現状報告』
個人名は入力できない為、STPD(馬鹿)は俺の思いつきだがコイツを俺に押し付けた局長には充分伝わるだろう。
『適応能力ゼロ。むしろマイナス』
『作業に支障あり、早急に代替条件を望む』
何故こんな奴が本庁に、、、
丸く大きく開いた唇は寝息の合間に時折動き、口の端から僅かな涎を光らせながら聞き取れない呟きを吐いている。
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