『キセ』くん ー2ー 寝言

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午前2時、 「、、、ん、むにゃむにゃ、、、」 ロフトから再び呟きが聞こえて来た。 「警視庁から各方面、、、むにゃむにゃ、、、」 下まで聞こえてくるそれは、本庁から各所轄への入電のやり取りと思われた。 本庁で無線担当にでも付いた時の夢を見てるんだろうが、、、 ソファに横たえた身体を翻し、目を閉じるも警察無線が染み付いた耳は単なる寝言にも一々反応し、頭を冴えさせる。 しかも、、、 「本日九時三六分ごろ三方面管内において爆発予告の事案あり、、、、」 次第に声がデカくなっていく。 「うるせぇっ」 ロフトに向かって怒鳴るが止む気配はない。 「関連重要施設、、、むにゃ、、、一斉点検及び、、、」 「おいっ」 「不審物等の発見に努められたい、、、むにゃむにゃ、、、」 ついにソファから身を起こし、頭を掻いた。 「クソッ」 なんでこんな目に、、、 怒りの勢いと共に起きてロフトに上がり、難しい顔をしてベラベラ喋り続けているキセを足で揺らした。 「起きるか口閉じるかどっちかにしろ」 「三方面、応答願いたい、どうぞ」 「、、、口、塞ぐぞ」 起きる気配は微塵もなく、脅す声にすらピクリともしない。 仕方なく側にしゃがみこんで全身が振れるほど肩を揺らす。 「キセッ」 「三方面、応答願いたい、どうぞ」 ガランとした空間に応答を求める声だけが繰り返し響き渡っていた。 「、、、、チッ」 「三方面、応答願いますっ、どうぞっっ」 「、、、、」 「三方面、応答願いますっっ」 「、、、、」 「三方面、応答願いますっっ、三方面っ」 、、、、ああっクソッ! 「所轄了解っ」 俺からの応答にピタリと口が閉じた。 「、、、、」 「、、、、」 「、、、ぐぅ~」 何だってんだっっ、、、
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