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「今度と言わず今日にでも教えてもらおうか」
「はい?」
「お前を操ってるディディモゾイドだよ」
「ディディモゾイドは寄生のみです。
魚を操るのはジプロストマム・シュードスファテセウムで、ヒトを操ると言われてるのはトキソプラズマ、、、」
「うるせぇな、どうでもいいんだよ、
んなこたぁ」
「僕は操られてなど、、、」
「どうやら秘密の埃ってのが顔を出したようだ。
語学堪能、人並み外れた高い計算能力と記憶力、、、Intellectual giftednessであるお前を両親から離し飼育管理した挙げ句、俺に丸投げして何らかの目的を遂げようとする寄生虫の正体を暴いてやる」
「飼育だなんて聞き逃せません。
彼らはとても良い方たちでし、、、」
「ついでに研究所って名のディディモゾイドの棲家もな」
「ですからディディモゾイドは、、、」
「お前は俺と一緒に来い」
「ど、どこへ、、、」
途端に何かを感じ取ったキセは、顔色を変え、ゆっくりと首を横に振りながら後ずさった。
「い、嫌です」
咄嗟に逃げようと翻す身を捕まえ、後ろから抱え込んだ。
「ほぅ。
勘が良いのもギフテッドの特徴だな」
「研究所に返されるのは嫌ですっ」
「俺は得体の知れないモノに利用されんのが嫌いなんだよ」
「僕は水無月さんから離れたくはありませ、、、あわわっ」
ばたばたと暴れるのも構わず肩に担ぎ、扉に向かう。
「安心しろ、返すとなったら荷物は後から届けてやる」
「お願いですっ、お願いですっっ」
俺は暴れるキセをその足で車に積み、首根っこを掴んだまま車を出した。
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